2010年 08月 24日
岸和田健老大学2010年度夏季公開講座:第3回
南海電車で30分で岸和田駅に到着する駅から5分も歩かずに会場に到着する
まだ この町には古民家も存在する
…岸和田市立福祉総合センター1階大会議室
開校20分前で 既に満席に近い
シルバー軍団は時間は少々早い目にセットされているようである
(9:30~12:10) …聴講生 約200名
『普天間移設問題を論ずる』
東京国際大学教授 阪口 規純さん
1.直近の問題…「広島平和記念式典」に参加して思うこと
ゼミの学生20名と一緒に今年の広島平和記念式典に参加した
米国大使が出席しコメントはなかったが意義は大きい
米国は原爆投下は終戦を早めるためには正しかったとの
公式見解は変わらないため謝罪は出来ないが
戦後65年初めて米国政府代表が出席したのは
オバマ政権の核軍縮に軸足を変えた変化の現れである
イギリスもフランスも出席した
広島市長のスピーチは素晴しく一番拍手も多かった
潘基文(パン・ギムン)国連事務総長も初参加であるが
このスピーチもよかった
2.普天間移設問題をどう考えるか
①政府は米国海兵隊の役割の重要さを認識している
②東洋経済誌の1000人のアンケート結果
辺野古への集中やむなし 36%(男性 43.1 女性 29)
(50代 41.3 60代 38.4 その他 25)
国外へ移設 28.2%
辺野古以外の国内へ移設 9.8%
…半数に達した意見なし⇒意見の分散
③基地の存在する根拠
安保条約で日本が米国へ要請したもの
有事の際は日本を防衛する→基地を設ける
在日米軍(陸・海・空・海兵隊…4軍)4万人駐留
④米軍基地の実情
米国使用基地面積
日本国土の1%に満たない沖縄に74.2%と集中
青森 7.9% 神奈川 5.9% 東京 4.2% 山口 2% 長崎 1.8%
関西は身近に米軍の姿を見ない
⑤基地の変遷
1970年代関東の基地は横田に集約し その他は返還された
横田も基地を65%削減された
本土の基地は戦前の日本軍の基地であったが
沖縄の基地は接収されたもので住民は残された狭い土地に居住している
基地の削減も9%留りである
⑥普天間基地返還交渉
1996年クリントン・橋本会談で実現
条件は「沖縄基地はアジア太平洋のキーストン」
代替地が必要⇒14年たっても決まっていない
…嘉手納には面積的には集約可能
有事の際の戦闘機とヘリの運営が困難
…名護への移転→沖縄民意が反対→最低でも県外へ
⑦世界の中の基地(ケント・カルダー調査)
自立した他国に基地を置くのは異例
英仏ソは急速に減少している
米国だけの特殊事情→増加傾向にある
政権交代した時は80%の確率で減少する
⑧日本の基地運営…保障政治
⑨「日本の安全保障は沖縄の海兵隊の抑止力が不可欠」
…この見方に疑問が出てきている
海兵隊の海外移動は鹿児島に集結の必要がある
有事の時は先攻するのは空軍
海兵隊は必要ないのでは→帰ってもらってもいいのでは…?
⑩沖縄に新しい基地受け入れは困難
保障型政治も限界がある→現実は地元は振興していない
米国の軍縮(海兵隊組織を含め)に日本がどう歯車を合わせるか…
米国は民主主義の国であり 日本の民意を重視する
日本国家の意思は米国に通じる
堂々と地域主権の民意を前出しして交渉すべきである