2019年10月2日(水)
9月29日に 知人の和田實氏の来訪があった
「小説を書いたので 読んで欲しい」と
9月27日発行の「小菊物語」を 置いて帰った
常に野球やソフトボールをしている スポーツ系の人物との認識があったが
小説を書く なんって文科系の才能も在ったとは 意外であり
非常に 違和感を感じた
反面 どんな小節なのかと期待を持って 直ぐに 読書に入った
323ページのハード本を 2日間で読み終えた
母親の祖母 小菊さんの物語であるが
歴史上の知っている人物なども出て来て なかなか面白い
第1部は 下級武士の目で見た 幕末の物語で
歴史好きの 私などは 直に引き込まれた
特に 維新の始動時代の 下級武士の悩みと 苦しみなどは
今まで あまり知らない 世界であった
第2部の 維新後の 下級武士の生活と 武士の商法への悩み
その苦しい生活の中で 小菊が生まれた
小菊周辺の話しと その時代の 下級武士だった 階級の生活
イギリス商社の活躍と かかわり
五代友厚なども 知人として 登場するのには驚きであった
第3部で 主題の 小菊の生活中心の 描写になる
明治時代に イギリス人との結婚
最初は順調であっても 戦時下では 逆に苦しみ悩む
ハーフに対する 周りの日本人の見方が
時代と共に 変化していくさまが 良く描かれている
全体を通して 家名を守るのが 第一優先の時代は
現在の我々には 想像できない 考え方のギャップである
下級武士の世界では 養子を貰って 家名を維持するのは当然で
養子にも 種々の形があるのは 知らなかった
養子を得て 家名を維持しているので
全く血の繋がりが ない場合も出てくる
名家の家系図には そんなケースが 多いのでは とも思う
私も 父親が 森口姓から 養子に行き 立石姓になったと聞いている
私は 当然立石の祖父母は知らないし お墓も知らない
息子は 独身なので 息子の時代で 立石家は消滅する
しかし そんなことには 何の抵抗もない
2年間も 古文書を調べ 古い記録を調べ 古老に話しを聞きまわり
岡山弁を勉強し コツコツと小説に仕上げた
その努力と 頑張りと 執念と 好奇心には 心底 頭が下がる思いである
スポーツ系 & 文科系の 両刀使いの人だと イメージを変更する
読んでみて なかなか 面白いし
身近な話しなので 何かと自分流の 考えや発想も出てくる
読んで 損のない おもしろい本である
Amazonや全国各書店で取り寄せ出来るようです